redpitayaで遊ぶより
1.はじめに
以下は現状のレポートです。色々調べた結果を書いてありますが参考にしていただき
試行錯誤を繰り返しFreeDVを楽しんでいただければ幸いです。
FreeDV ReporterにはWorking Frequencyというのが掲載されています。
しかしながらこの周波数の選定根拠も不明で国内運用を主に考えると
必ずしも適当であるとは思われません。
9月25日施行のJARLバンドプランのHF帯ではDigital Voiceに関する
運用周波数の記載はありません。ほとんど電波法と同じ規定で
全電波型式の帯域であれば電波法に従って運用すれば法的には
まったく自由となっています。
一方自主的な規則はIARUのBand Planとの「国際的整合性」のみとなりました。
国境を超えることを規制できないHF帯の電波の特性から
「国際的整合性」規定には合理性があります。
そしてIARU Band PlanにはDigital Voiceに利用優先権のあるCenter of Activity(CoA)が
あることがわかりました。このCoAの配置はPhoneの帯域の中で
Dataと共用している帯域に配置しています。
この理由はIARUはDigital VoiceをDataではなくアナログのAMとかSSBと
同じPhoneに属すると位置づけており、もしDigital VoiceにAM、SSBとの混信を
避けるListen Before Talk(空きチャネルチエック)のような機能がない場合は
Dataとの共用帯域に置くことが混信を避けやすいとの考え方に立っていると思われます。
そのためJARLのバンドプランはIARU R3 Bandplan記載の基本原則(3)により
特段の記載がない限り暗黙的にR3 Bandplanに従っているとの解釈でこのCoA付近での運用を目指すことにしました。
もっともFreeDVはAnalogモードに切り替えればAM,SSBモードでも
瞬時に「空きチャネルチェック」を行えるため必ずしも共用の
Data帯域にいる必要はありません。また、幸いなことにFreeDV Reporterという
FreeDV運用局の送受周波数をインターネット経由でFreeDVソフト本体に
リアルタイムに表示できる機能がありますので、IARUのBandplanのように
運用周波数を固定的に決める手法は必ずしも必要ないかもしれませんので
今後皆様の経験で変わっていくのではないかと思います。
2.現在の運用周波数状況
1)1.8MHz帯(LSB)
1.848MHz: 現在IARUR3でもCoAはない。FT-8の運用周波数にもっとも近い1.848MHz付近で運用されている。海外のFreeDV開発グループとのディスカッションを重ねた結果
1.8700MHzを中心周波数(呼び出し周波数)として1.850 ~ 1.900MHzを使って
今後運用するようにしたらどうかと提案がありました
1.848MHzはFT8等の運用周波数に近いため1.850 ~ 1.900MHzでの運用を
推奨します。2025年2月20日追記
2)3.5MHz帯(LSB)
3.705MHz: 現在電波法に従って電波の発射可能な周波数で
IARU-R3のCoA(3.690MHz)に最も近い。この周波数帯でのSSB局運用は
あまりないためこのチャネルの上で帯域での運用は可能。
3.580MHz: 旧JT65の運用周波数で多数の行政処分を出したため2020年に
この周波数が追加された。しかしWSJT-X側が自主的に日本のバンドに合わせて
すでに移動しているため現状この周波数は使われていないため。
WSJT-Xへの混信防止のための制限のある3kHz幅の単一チャネル。
3)7MHz帯(LSB)
7.200MHz: 占有帯域幅が広いままでのRADE
モードでの運用はしない。占有帯域幅を1KHzに絞ることで
運用することは可能
バンド混雑でもっとも運用周波数を探すのが困難なバンド。
AM唯一の運用可能周波数の7.1950MHzの上2kHzが幸い空いているため
窮余の策の周波数確保。700D以外は占有帯域幅が広いので
AM局に迷惑がかかるのではないかと運用は差し控えている現状。
理由は定かでないがJAの利用を見て海外でもこの周波数を利用するケースが増えている。
上記の理由から制限ありの2kHz幅の単一チャネル。
7.177MHzは国際的なFreeDV運用グループで推奨されている、
周波数の空き具合を見ながら運用
4)10MHz帯(USB)
現状のFreeDV 2.0.0-devel版でのRADEモードは控えるようにしてください。
下記リンクを参照してください。
FreeDV に新モード(RADE) 驚異の音質のよさ : JE3PRM のblog
10.140MHz以上の10KHz帯域:省令改正で新に割り当てられたバンド。
2020Bモードは占有帯域幅2kHz以内の省令規定で運用できない。
※10MHz帯でのRADEモードの運用には注意が必要です。
現在リリースされているテストバージョンでは、
送信時のフィルタ選択により、占有帯域幅は3KHzおよぶため、
占有帯域幅を2KHzに規制している10MHz帯での運用には注意が必要です。
現在IARU上R3でしか運用できないバンドでもある。SSBの運用がないので
CWおよびWSJT-Xの運用を避ければ比較的柔軟に運用できる。
昼間は国内全域局との交信が可能なことがわかり人気が高い。
現在はWSJT-XのDxpeditionの運用を避けながら10.1430MHz, 10.1450MHz, 10.1470MHzの
2kHz幅のルールで運用している。
5)14MHz帯(USB)
14.236MHz:FreeDVのCoAでの運用が多い。帯域が広いので
従来の国内SSB帯域で柔軟に運用できる。
6)その他のHF帯
省令、JARLバンドプランに従って運用すればバンド幅も広いし運用局も少ないので他のモードとの共存に特に問題ないと考えている。
参考までにIARU R3 のCoAを以下に記載しておく。28.330MHzはFreeDVのWorking Frequencyと一致しているためよく使われている。
14.130MHz, 18.160MHz, 21.180MHz, 24.960MHz, 28.330MHz