FreeDV運用ガイド

オープンソースによるデジタル音声通信

この画面は、簡易表示です

FreeDV ubuntu

Ubuntu でのFreeDVの設定について

投稿日 by Hiro

最初に、FreeDVをUbuntuで使うための手順について書いておきます。
記述には再現性には、つとめていますが、Windowsと違い実験的な要素が多いので、
上手く動作するとの保証はしかねますので、ご理解の上、読み進めて下さい
特にサウンドデバイスに関しては、認識に少し不安定な部分があることを
認識して頂いて読み進めて下さい、もう少しサウンドデバイスの設定は
改善する必要があることを認識はしていますので、随時検証して更新に
努めていきます。
※2022.3.17現在、サウンドデバイスがUbuntuで標準実装されている
PulseAudio対応となり、サウンドデバイスの設定が簡単になりました
PulseAudioを使用する前提で設定を進めたものを公開しています。

Ubuntuのシステムアップデートも頻繁に行われているので
設定条件も確認が取れ次第予告なく変更アップデートしています。

また、私の環境では、動作しても、他の環境によっては
期待通りに動作しない可能性もあることを理解して下さい。

※準備作業
前提として、Ubuntu 20.04 日本語Remixバージョンをクリーンインストールした
パソコンを準備して下さい。
インストール後のアップデートを、適用した状態から作業を始めます。

設定を始める前の準備に入ります
Ubuntuをインストールして、アップデートを適用して
最初に下の画像のようになると思います。
(壁紙は変えてあります)

左下のタイル状のアイコンにマウスを合わせて下さい

アプリケーションを表示すると出ますのでクリック
下に常用と、すべて と表示されますので
すべての側を選択、ユーティリティを探して下さい

ユーティリティが見つかったらクリックして開いて下さい

端末にマウスを合わせて、お気に入りに追加 として下さい
設定は、端末にコマンドを打ち込んで設定をしていきます。

お気に入りに追加後
無線機の電源を入れてUbuntuをインストールしたパソコンを
USBケーブルで接続して設定を始めて行きます。

このときの無線機とパソコンを接続するUSBケーブルは
中継ケーブルは使わずに、一本のケーブルで繋いでください
中継ケーブルを使うと思い通りに動かない等のトラブルの元になります


一度、無線機のUSBポートを認識させるために再起動して下さい

お気に入りに追加後、端末をクリックして表示させておいて下さい。
端末の入力欄右側は$マーク(ユーザーモード)で有ることを確認して
始めて行きます。

無線機内蔵のデバイスを認識しているかどうかの確認をします。
私の環境は、Yaesu FTDX-3000での内部デバイス表示です。
コマンドに lsusb と打ち込んで下さい
画像のような表示になります。

ここで無線機内蔵のデバイスとして、シリアル通信用デバイスが
Silicon Labs CP2105
USBオーディオインターフェイスに関してのデバイスが
Texas Instruments PCM2903 Audio CODECと表示されていて
認識をされていることが解ります。

認識されていると確認が取れたところで、次に進みます。

シリアルポート アクセス権の確認

ls -l /dev/ttyUSB* と端末に入力して下さい
結果は、日付は別として下のようになると思います
crw-rw---- 1 root dialout 188, 0  4月 12 21:34 /dev/ttyUSB0
crw-rw---- 1 root dialout 188, 1  4月 12 21:34 /dev/ttyUSB1 シリアルUSBデバイスにユーザがアクセスできるように設定をしていきます ここでhogeと表記しているのは仮のユーザー名で、実際にはUbuntuを インストールするときに設定したユーザー名になります。 sudo gpasswd -a hoge dialout と端末に入力 パスワードを求められますので入力して下さい。 dialoutグループにユーザー名(hogeは仮のユーザー名、実際はubuntuのユーザー名) id と端末に入力してきちんと追加されたか確認 uid=1000(hoge)gid=1000(hoge)groups=1000(hoge),4(adm),24(cdrom),27(sudo),30(dip) 46(plugdev),120(lpadmin),131(lxd),132(sambashare) 上記のようになっていればOKです。 シリアルUSBデバイスに恒久的なアクセス権を エディターを使って設定していきます。 これから記述する設定として下さい。 sudo nano -w /etc/udev/rules.d/65-serial.rulesとしてエディターを開きます。 ACTION=="remove", GOTO="serial_end"  SUBSYSTEM!="tty", GOTO="serial_end"  KERNEL=="ttyUSB[0-9]*", MODE="0666" LABEL="serial_end" と書き込んで Ctrl+Xで保存 再起動して下さい。 保存後 再起動

再起動後
ls -l /dev/ttyUSB* と端末に入力

crw-rw-rw- 1 root dialout 188, 0 4月 12 21:49 /dev/ttyUSB0
crw-rw-rw- 1 root dialout 188, 1 4月 12 21:49 /dev/ttyUSB1
以上のようになっていることを確認

※サウンドデバイス関係の設定にはいります。
端末を開いて
sudo apt install pavucontrol と端末に入力
パスワードを求められますので入力します。

インストールが終わるとアプリケーションを表示する
のメニューの中に下の画像のようなPulseAudio 音量…が現れますので
お気に入りに追加しておきます。

※必要なソフトのインストール
端末に、sudo apt install gtkterm と入力
指示に従ってパスワートを入力、インストールをして下さい。
インストールが終わったら、左下のタイル上にマウスを合わせて、
アプリケーションを表示させて下さい。

※シリアルポート管理ソフトの設定

その中のSerial port ter…にマウスを合わせて、お気に入りに追加します。

無線機側のシリアル通信レートを9600bpsにセットして下さい
シリアル通信レートが早すぎると上手く通信できなくて
エラーで固まることが多いです。

Yaesu機の場合 CAT SELECTをUSBに設定、ICOM機の場合は
詳しくないので、ここでは割愛します。

お気に入りに追加されたGTKTerm の起動後、画像のような警告が
いくつか出ますが、すべてOKとして、進んで下さい。

Configurationにマウスを合わせPortを選択します
Portに/dev/ttyUSB0を選択して、下の画像のように設定します
※Yaesu FTDX-3000 でのCAT設定になっています、
Bits 及びStopbitsについては、それぞれの無線機の設定に合わせて下さい。

設定をしたらOKボタンを押します。
cofiguration からSave cofigurationを選択して defaultのままでOKとします。
メッセージがいくつか出ますが、OKとYESで進んで、一度GTKTermを終了させて
再度起動させて、メッセージが表示されずに立ち上がることを確認します。

この画像のようになります

これで、シリアルポート関係の設定は終わりました。

※ダークテーマへの変更について
Ubuntuのアプリケーションの外観の変更設定に進んでいきます。
まず画面の任意の場所でマウスを右クリックして下さい。

このようなメニューが出てくると思います。
設定を選択、外観を選択と進み、標準から暗いを選択します。
これでアプリケーションの外観にダークテーマが適用されます。

※FreeDVソフトのビルド方法について
端末を開いてfreedvのビルドの準備をします。
下のように入力して下さい、コピー・ペーストで構いません。
後は端末に表示される指示に従って下さい。

sudo apt install libspeexdsp-dev libsamplerate0-dev sox git \
libwxgtk3.0-gtk3-dev libhamlib-dev libasound2-dev libao-dev \
libgsm1-dev libsndfile-dev cmake module-assistant build-essential libpulse-dev

端末に

 git clone https://github.com/drowe67/freedv-gui.git

続けて

 cd freedv-gui と入力

その後、端末に
./build_linux.sh pulseaudio

と打ち込んでFreeDVのビルドを開始します。
ビルドが途中で止まるときは、公式サイトを確認して下さい。

GitHub – drowe67/freedv-gui: GUI Application for FreeDV – open source digital voice for HF radio


無線機のUSBオーディオ、パソコン内部のマイク、スピーカーデバイス
(ヘッドセットなど)の内部オーディオデバイスが認識されているか確認して
Ubuntuで内蔵オーディオの音量調整手順を追記しています。
その調整後、次の方法で実行します。

./build_linux/src/freedv

起動後、完全にオーディオデバイスを認識しないときがあります。
その時は、一度パソコンを再起動してから立ち上げてみて下さい。

これはすべてのライブラリをローカルフォルダーにビルドします。
コンピュータには何もインストールされていません。
削除したいときは、freedv-guiフォルダーを削除するだけです。

後は、Widows版と同じようにAudio Configを設定
Ubuntuでの運用者側のオーディオデバイスは、ヘッドセット入出力を
前提として、ここではマイクロホン側をalsa_input.pci-0000_1b.0.analog-stereo
スピーカー側をalsa_input.pci-0000_1b.0.analog-stereoとしています。
無線機側のオーディオデバイスはパソコンへの入力側を
alsa_input.usb-burr-brown_from_TI_USB_Audio_CODEC-00.analog-stereo
パソコンから無線機側を
alsa_output.usb-burr-brown_from_TI_USB_Audio_CODEC-00.analog-stereoとしています。
下の画像のように無線機側オーディオデバイス、運用者側のオーディオデバイス
受信側、送信側ともにオーディオデバイスが整っていることを
確認して下さい。

※ビルド直後の起動では。送信側、受信側のUSBオーディオインターフェイスを
認識していないときがあります。そのような場合は、一度パソコンを再起動してから
再度FreeDVソフトを起動して動作をチェックして下さい。

PTT Configの画面を開く前に一度GTKTermを開いて、
シリアル通信ポートの設定を確認、PTT Configでは
Use Hamlib PTTを使うことを推奨します。
無線機のPTTコントロール項目をセットして
Test PTTボタンをクリック、コントロール出来ることを確認します。
下の画像ではFreeDV 1.5.3 develとなっていますが、
2022.3.17リリースバージョンの1.7.0以降も同じです。

実際の運用に入る前に、運用者側の音声入出力の設定をします。
画面左側お気に入りに登録した Pulse Audio 音量調節をクリック
下の画像になります。

ここではPCM2903B Audio CODEC アナログステレオ が無線機側との接続に使う
USBオーディオインターフェイス FreeDVのサウンドデバイスでは
入力側/出力側それぞれ
alsa_input/output usb-burr-brown_from_TI_USB_Audio_CODEC-00.analog-stereo
内部オーディオ アナログステレオが運用者側のサウンドデバイス
FreeDVのサウンドデバイスでは
alsa_input/output.pci-0000_1b.0.analog-stereoとなります。
それぞれ、簡単にレベルの調整が出来るようになっています。

起動して受信をしている画像が下の画像になります。


※応用編Ubuntuでdebパーケージ化されたFreeDVソフトを、使うための手順について
Google digitalvoiceグループのメールリンクでは、
開発グループにより試作版が公開されています。
その中にUbuntu/debian用にパッケージビルドされた、
ソフトが公開されています。
どのようにインストールしていくか手順を説明します。
ここからの手順は、ある程度Ubuntuの操作に、慣れた方にお勧めします。

準備として端末を開き、sudo apt install synaptic として
パッケージ管理ソフトを導入します。
これは、バージョンアップなどで旧ソフトを削除するために
導入しておくと、管理が楽になります。

FreeDV 1.8.0 Ubuntu用ファイルパック ファイル名は2022-04-08.zipになります。
こちらからダウンロードして下さい。PulseAudioを使用するものを
必要なソフトとともにパックしてあります。
このパックを使うための前提として、ローカルファイルでのFreeDVビルドが終わり
動作させるために、必要なソフトがインストールされていることです。
Firefoxなどのブラウザーでダウンロードをした場合、ダウンロード先は
ホームフォルダーのダウンロードになると思います。
下の画像のようになります。
ファイルを更新しています、実際には2022-04-08になります。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: Screenshot_1.jpg

2022-04-08.zipにマウスを合わせて、右クリックから
ここで展開を選択します。
下の画像のようになります。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: Screenshot_2.jpg

フォルダーを開くと下のようになります。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: Screenshot_3.jpg

マウスを、それぞれのパッケージに当てて右クリックをすると
ソフトウェアのインストールで開く メニューがでます。
これを使います。パスワードを求められますので入力して下さい。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: Screenshot_4.jpg


インストール手順は、lpcnet_0.2.0-20220407 >lpcnet-tools_0.2.0-20220407 >codec2_1.0.3-20220407
>freedv-pluseaudio_1.8.0-devel -20220407-fcba2e_amd64.debの順で、必ずインストールを進めて下さい。
問題無く、それぞれのパッケージがインストールされると
左下のアプリケーションを表示するの中に、FreeDVのアイコンが現れます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: screen_5.jpg

クリックして起動すると下の画像のようになります。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: freedv1.8.0_ubuntu.jpg


設定などで解らないことがありましたら気軽に、メールをして下さい
解る範囲ではありますが、対応したいと思います。
なお、サポートについては、日本国内の方に限らせて頂きます。

参考にさせて頂いたサイト
シリアル通信ポートの設定
https://netwiz.jp/linux-usb-serial/
https://www.yokoweb.net/2019/12/12/ubuntu-ftdi-serial/
https://gihyo.jp/admin/serial/01/ubuntu-recipe/0555?page=3
USBオーディオデバイスの設定
https://rohhie.net/ubuntu20-04-fix-the-audio-output-destination/
https://doroyamada.hatenablog.jp/entry/20170409/1491725205




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