FreeDV運用ガイド

オープンソースによるデジタル音声通信

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2026 / 1月

RADEモードの開発と運用の注意点について

投稿日 by Hiro

2025年11月にDavid Rowe氏より資料を頂きました
それを元に書いています。

RADEの設計とトレーニングは、どのようにされているのか
簡単に説明をしていきます。RADE開発者デービット氏は
以前は音声デジタル処理システムを設計していました。
RADEモードで使われているML(機械学習)では
ニューラルネットワークのトレーニングに重点が置かれています
(ニューラルネットワークとは、人間の脳の神経回路を模倣した、
コンピューターの学習手法です。)
AM受信機の例を考えてみましょう
機械学習を使って検出器を構築しましょう

通常の信号の処理手順は画像_1のようになります、
ダイオードは検出器(検波器)です。

通常の信号の処理手順は上の図のようになります、
ダイオードは検出器(検波器)です。

同じ事を機械学習(ML)で処理を始めようとする場合は上の図のようになります。
1)訓練されていないニューラルネットワークからトレーニングを始める
2)トレーニングのための資料を集める
3)入力された信号と望ましい出力の多くのサンプルを集め
4)望ましい出⼒に一致するようにネットワークをトレーニングする(学習させる)

時々、何かをデザインする最良の方法が分からないことがあります
現実世界の問題は複雑であり、完璧な設計は存在しない
しかし、成功とはどのようなものか(どのように聞こえるか)はよくわかっている。
だから私たちはシステムをブラックボックスとして扱うのです
私たちが見たいものの例を示し、訓練する
MLは多くのアプリケーションのパフォーマンスに段階的な変化を
もたらしました、音声合成と圧縮を含む分野でJean‑Marc Valin 氏
(およびチーム) ‑ インターネット アプリケーション用の
音声圧縮アイデア: 無線伝送上のノイズの多い信号に
適用できるか?の問いかけにJean‑Marc氏は簡単な概念に
よりモデムを使った実用的なHF音声システムを開発しました。
開発にあたって世界中のハムがクラウドソーシングでテストを
手伝ってくれました。Mooneer SalemはRADEを
FreeDV GUIアプリケーションと統合しました。

上の画像は700Dモード等に使われているCODEC2の信号処理の流れです。

上の画像は、同期のために ML を含む従来の RADE V1 DSP モデム
エンコーダは特徴量を取得し、伝送路経由で送信するシンボルを
生成します。デコーダーはシンボルを受け取り、特徴を生成する、
これらはML合成装置に送られ、高品質の音声を生成する。
200時間の音声トレーニングで、ノイズとHF伝送路によって
劣化した音声情報(デジタル音声)から良好な音声を生成
することが出来るように。同期のために機械学習を組み込んだ
従来のDSPモデムをRADE V1で使用しています。
RADEV1は、デジタル信号処理(DSP)と機械学習(ML)を
組み合わせたハイブリッド設計です。つまり、信号処理の一部
(タイミング推定、イコライゼーション、アクイジションなど)は
従来のDSP技術を用いて行い、コアとなる符号化と復号化はMLを用いて行います。

RADE V2では、すべての信号処理をMLで行う可能性を検討しています。
これは全く新しい試みであり、研究開発の手間と、一定のリスクを伴います。
現在の状況としては、保存ファイルを用いた無線伝送テストを実施し、
RADE V2のいくつかの主要な機能を確認しています。

上の図RADE V2はプロトタイプ受信機のブロック図です。
RADE_V2はRADE V2での処理プロセスを表しています。
最初のRADE V2無線テスト、さらに慎重な開発を経て、
ついにRADE V2の「スモークテスト」版を無線で
テストできる段階に到達しました。このテストの目的は、
RADE V2用に開発した多くの新しい技術が連携して、
実際の無線チャネルで音声を送信できるかどうかを
確認することでした。パフォーマンステストではないため、
最後の1dBのパフォーマンスを追求することはありませんでした。
多くの新しい技術が採用されているため、実際の無線チャネルで
動作するだけで十分です。
音声を10秒間サンプルとして採取し、SNR測定用の1KHz信号と、
SSB、RADE V1、RADE V2でエンコードした自分の音声を収録した
ファイルを生成しました。2025年8月8日、このファイルを
約100km離れたKiwiSDRへ、40mの近距離垂直入射(NVIS)チャネル
(フェージングが顕著)を経由して送信しました。
少し驚いたことに、RADE V2 プロトタイプは最初から動作しました。
MLを用いて、HFチャネルからの位相歪み、微細な周波数オフセット、
および小さなタイミングオフセットを処理(通常は従来のDSPで行う処理)。
RADE V2の信号としての特徴

  • パイロット信号やユニークワードシンボルを使用しないため、
    消費電力を削減し、感度を向上。
  • 約40msの低遅延フレーム(堅牢なデジタル音声としては
    非常に低遅延であり、迅速なPTT切り替えと高速同期をサポート)。
  • 800Hzの99%電力占有帯域幅(SSBの3倍の帯域幅効率)。
    受信側も帯域幅を狭めて運用することが可能となり、
    受信感度を実質的に向上させての運用が可能になります。
    管理人の注釈
    このモードが実装されたバージョンでは日本国内においての
    10MHz運用でのイコライザーAPOを使用しないで運用
    することができるようになる
  • 市販のSSB無線フィルタを通して3dBのPAPR終段の電力効率)
    (OFDMとしては非常に良好であり、SSBと比較しても優れており、
    さらに改善できる可能性があります)

以下は受信信号のスペクトラム(左から右への時間の流れ)です。

注)チャープは1KHzのトーン信号
左縦軸は無線機のSSB帯域幅
左からトーン信号 SSB音声 RADEV1
一番右がRADEV2の信号分布
V2信号(右端)がいかに狭く、帯域外エネルギーが急速に
減少しているかが分かります。また、V2信号は「明るく」見えます。
波形が狭いということは、より狭い帯域幅に多くの電力が
詰め込まれていることを意味します。フェージングは​​V1信号と
V2信号の両方で非常に顕著です。縞模様に見えているのはフェージングがあるということです。
以下はデコード後の受信音声サンプルです。
David Rowe氏自身の音声
https://freedv.info/wp-content/uploads/2025/11/lsb_ssb.wav

SSB

https://freedv.info/wp-content/uploads/2025/11/lsb_rade1.wav
デコードされたRADE V1

https://freedv.info/wp-content/uploads/2025/11/lsb_rade2.wav
デコードされたRADE V2

デコードされたV2の音声は、RADE V1とほぼ同じように聞こえます
(SSBよりも良い音質です)。これが、この「機能的」テストで
目指していたことです。現実世界のHFチャネルは常に進化しているため、
たとえ時間的に近接した2つの信号であっても、微細な違いを
認識するのは難しい場合があります。例えば、スペクトラムから、
サンプル内の異なるポイントでフェードが発生していることがわかります。
今のところはこれで問題ありません。

その後の送信で、V2プロトタイプにいくつかの問題があることが
確認できました(メトリクスを観察することでも確認できました)。
これは予想通りで、この粗削りなV2プロトタイプをできるだけ早く
送信して機能テストを行うために、いくつか手抜きをしました。
RADE V2の多くの革新的な技術が実際に機能することがわかったので、
各サブシステムを慎重に調整してパフォーマンスを
最適化する作業を開始できます。
今後はMLによるフレーム同期と高精度タイミング
(通常は従来のDSPで行う処理、パイロット信号/ユニークワード
なしの低オーバーヘッド動作をサポート)。

RADE V1(および他のほとんどのモデム)と比較して、
従来のDSPコードが非常に少ない。
音声品質の目標は、RADE V1と同等以上です。感度の目標は、
RADE V1よりも2~3dB優れています。

下の画像は、RADE V1、RADE V2、およびSSBを比較したものです。

PAPRが改善されていることに対して、管理人の注釈です。
様々なご意見があるとは思いますが。
同じ電力を運用するにあたり、少ない電力で必要な出力を得ることが
出来るということを意味していると考えています。
出そうと思えば出せてしまうものを、最大限の出力を出しての運用を
奨励しているわけではありません、あくまでも、それぞれの局の無線設備
で定められた範囲、FreeDVでは常にPEP電力を監視しながらの運用が
求められるものと認識をしています。
通信において、必要最低限の電力での運用をという考えです。
らず
redpitayaで遊ぶ を管理されているJS1MAV 堤様より計測結果が
入ってきました

RADEのPARP規定の引き上げ(<0.8dBから4.5dBぐらい)とこの実践的確認
https://playredpitaya.blogspot.com/2026/01/radeparpbdb.html

合わせて参考にされてください。



FreeDV Ver2.2.0のログ連携について

投稿日 by Hiro

FreeDV 2.2.0のバージョンよりログソフトの連携が
出来るようになりました
ここでは、KLogというフリーソフトを利用した連携について説明を
していきたいと思います。
KLogを私自身も使い始めて日が浅いため、少し違う点もあるかと
思いますが、その場合は、ご指摘ください。

Ver2.2.0から実装されたログとの連携について
インストール時に付属しているユーザーズマニュアルの中で
FreeDV は、WSJT-X ログ プロトコルをサポートする
外部ログ ユーティリティ (KLog など) との統合を
サポートするようになりました

デフォルトでは、パケットが “localhost” (127.0.0.1) ポート 2237 に送信されますが、
ログ コンピュータがネットワーク上の別の場所にある場合は変更できます。
FreeDV がコール サインをデコードすると、メイン ウィンドウの
下部にあるドロップダウン リストに表示されます。
このコンタクト (またはアプリケーションが受信した他のコンタクト) を
ログに記録するには、リストからそのコール サインを選択し、
ウィンドウの左側にある [QSO をログに記録] ボタンをクリックします。
次に、コンタクトに関する追加情報を入力するための
ダイアログ ボックスが表示されます。[OK] ボタンをクリックすると、
この情報がログ ツールに送信されます

上の画像を見てください
この手順について説明をしていきます。
まず先ほどのTools からOptions Reporting
タブの中のEnable QSO Loggingを有効にして
Appy またはOKとします。

次にKlogをダウンロードしていきます。
サイトの検索では怪しげなサイトが出てきますので
githubから
https://github.com/ea4k/klog/releases/tag/2.4.2
Klogダウンロード
KLogのサイトの下の方

上の画像のように表示されていますので
Windows版ではKLog-2.4.2_win64.exeを
ダウンロードして、管理者として実行とします。

インストールの際、セキュリティーソフトの
警告が出ることがありますのでインストール 
初回起動時は落ち着いてメモを取りながら
作業を進めてください。
指示に従ってインストールをしてください。
スタートから すべての中にKlogはあります。
タスクバーにピン留めして起動できるように
準備します。フォルダーの場所は
“C:\Program Files\KLog”の中にあります
アンインストールが必要になったときも、
アンインストール用のプログラムが中にあります。

インストールが終わりプログラムを起動して
ファイルから設定を選択

ユーザー情報を入力、OKとして
その後WSJT-Xのタブに移動して、右側に隠れていますので
タブを広げて探してください

ネットワークインターフェイスについては、デフォルトのままで
下のWSJT-Xに関してのクリックを全て有効にしてOKとします。

Windowsの場合、KLog起動時 初回にネットワークアクセスの許可を
求めてくることがありますので許可として
KLogを最小化した状態で、FreeDV2.2.0を立ち上げてスタートさせます。
FreeDVの信号を受信していると一番下のタブにコールサインが表示され

右端のvをクリックすると情報が移され

FreeDVソフトのLogging の下にあるLog QSOを
クリックしてOKとするとKLogに送られて

Tubo HamlogへはADIFでのエクスポートを選択すると
任意の場所にファイルを置くことが出来ます。
私の場合は
“C:\Users\ユーザー名\klog”
“C:\Users\hirka\klog\20260117-0933-klogbackup.adi”
となっていました
ADIFファイルの保存は任意に指定できます。
Ubuntu版については、後日記述します。
何かありましたらメールをしてください

※FD Linkerダウンロードの前に

FD_Linker を開発しました 2026 3.1公開します。
本ソフトは Turbo Hamlog の API HAMLOG50.dll の仕様を参照し、
各欄への文字入力や Call 欄での Enter 処理を利用して
Turbo Hamlog の登録情報を表示する機能を実装しています。
API 仕様を公開し、開発の機会を提供してくださった
Turbo Hamlog 開発者 JG1MOU 浜田様 に、
心より御礼申し上げます。
また、本開発を進めるにあたり技術的な助言を
いただいた JA4JOE 尾中様 にも、深く感謝申し上げます。
ダウンロードはこのページの下の方にリンクを張っています。

本ソフト『FD_Linker』は個人が開発した 未署名の実行ファイル のため、
ダウンロード時や実行時に Windows Defender や一部ブラウザから
「不審なプログラム」「トロイの木馬」などの警告が表示される場合があります。
これは以下の技術的理由による 誤検知 であり、危険性を示すものではありません。

本ソフトウェアは、VirusTotal にてスキャン済みです
結果は以下の公開ページからどなたでも確認できます。
結果はこちらのリンクからどなたでも確認できます。
2026 3.1現在
FD Linker  TIMES バージョン

FD Linker Listen バージョン

■ 警告が出る主な理由
● 1. Nim 言語の特性
FD_Linker は Nim 言語で開発されており、
非常に軽量な実行ファイルを生成する構造 が特徴です。
この形式が一部のセキュリティ AI に
「ウイルスに似た構造」と誤認されることがあります。

● 2. UDP ポート待受による誤検知
FreeDV のログを受信するため、
指定ポート(既定:2237)で UDP待受 を行います。
この挙動が「外部通信を行うプログラム」と誤解される場合がありますが、
実際には 外部への送信は一切ありません。

● 3. デジタル署名が無い
企業向けのコード署名証明書を付与していないため、
Windows からは “発行元不明のソフト” として扱われます。
その結果、SmartScreen や Defender が警告を出しやすくなります。
現在、Windows Defender(Windows 11)には
動作許可ソフトとしてのホワイトリスト登録申請を提出済み です。

■ 安全性について
FD_Linker は JH0PCF が 1 からコードを書き上げた
約 400KB の純粋な単体ツール であり、
余計なライブラリや外部通信機能は含まれていません。
VirusTotal での検知も、ほとんどが
「未署名ゆえの形式的な警告」 であることを確認しています。

■ 警告が表示された場合
「Windows によって PC が保護されました」と表示された場合は、
[詳細情報]→[実行] を選択することで起動できます。


※ソフトのソースコードはオープンソースの考え方で公開しています。
コードの作成にあたってはMITライセンスのもと一般的な手法での
プログラムコードの書き方を使っています、コードの作成はクラウドAIが行い、
ビルドコンパイル、動作の検証を私が行いました。
コードについては、まだ最適化の余地はあることは認識しています。
 今回ファイナル版としての公開していますが、機能追加をしたバージョンの
リリースもしていきます。
コードに対しての著作権は放棄していません、コンパイルしての再配布は
しないで下さい、
シグナルレポートのハムログへの転送はしていません、FreeDVソフト側からの
ログ情報にはSNR情報は含まれていません、モードについてはFreeDVソフト側からは
DIGITALVOICEと出力されています、これをFREEDVに置き換えて出力しています。
今後NAME COMENTS欄の活用でSNR情報をハムログのRemarksに書き出すバージョン
を出していきたいと考えています。

FD Linkerは
こちらのダウンロードリンクからダウンロードしてください。

何か動作上の問題があるようでしたらメールをしてください




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