はじめに
このモードは、FreeDVソフトのPTTボタンを押すと、FT4,FT8と同様に
連続したデジタル信号で変調された、電波が送り出されます。
送信出力によっては、終段に過大な負担が掛かり、終段破壊などなる場合があります。
運用に際しては、まずはじめに、送信出力を最小にして、アンテナの状態を確認し
異常無き事を、確認して徐々に出力を上げ、異常なきことを確認しながら
運用するように心がけて下さい、運用に際しては自己責任でお願いします。
※このページの下の方に、実際に送信をするようになった時に
こちら側の送信音声の了解度を上げるための大切なフィルター設定
の情報を掲載しています、大切な情報になります。
目を通すようにしてください。
FreeDVの受信をする事が出来るようになったら
今度は、実際に交信をするための準備に入ります
・最初にPTT制御の確認から Tools→PTT Config設定
PTT制御の仕方は、各メーカー、それぞれの無線機によって違いがありますので
一概には言えません、参考までに八重洲無線 FTDX3000の場合
無線機のメニューNo,065 Mode cw PC KEYING RTS
PTT制御の仮想COMポートをCOM6とした場合、上の写真の状態で
制御することは出来ています。
Test PTTを押して、PTTがON/OFF制御出来ることを確認して下さい。
・PTT制御にHamlib Settingsを使用する場合
無線機の周波数読み取りポート(八重洲無線ではCAT)のポート番号を
Serial Deviceにセット、Serial Rateをパソコンの
デバイスマネージャー>ポート(COMとLPT)該当するポート番号の
プロパティーをクリック>ポートの設定と進みます。
無線機のビットレートとパソコンのCOMポートのビットレート
ストップビットを合わせてOKとします。
上の画像はFTDX3000での設定例です。
その上でUSE Hamlib PTTをクリックして、Test PTTを押して
無線機が送信状態になることを確認します。そして画像のように
Serial Paramsにビットレートなどの情報が表示されることを確認します。
USE Hamlibを使う設定としたときは無線機に入る
信号の流れも変わる事があります、スタートしてPTTボタンをクリック
しても送信されない時は、無線機のメニューからSSB MIC SELを確認して
該当する入力デバイスに変更して下さい。
Icom製無線機を使用している場合、Hamlib は接続時に
無線機のデフォルトの CI-V アドレスを使用します。
この値が変更されている場合は、「無線アドレス」フィールドに
正しいアドレスを指定できます (有効な値は 16 進数で 00 から FF まで)。
IC7300に付いての設定例の情報を頂きました
JA4JOE 尾中様のサイトです。
“00” は “ワイルドカード” CI-V アドレスであることに注意してください。
そのアドレスに対するコマンドに応答するには、
無線機で「CI-V トランシーブ」オプションが有効になっている
必要があります。それ以外の場合は、無線機で設定したのと同じ
CI-V アドレスを使用するように FreeDV を設定する必要があります。
最良の結果を得るには、「00」/「CI-V トランシーブ」が
使用されている場合は、チェーン内に他の Icom/CI-V 対応デバイスが
ないことを確認します。
ハムリブがIcom製無線機で動作しない時
Icom 無線機で最も一般的な問題は、FreeDV で設定された
CI-V アドレスが無線で設定されたアドレスと一致しないことです。
FreeDV と無線の両方の CI-V アドレスが同じであることを確認します。
FreeDV 側で「00」を使用する場合は、無線で「CI-V トランシーブ」
オプションが有効になっているか、または無線がそのアドレスに
送信された要求に応答しないことを確認します。
IC7300に付いての設定例の情報を頂きました
JA4JOE 尾中様のサイトです。
https:// tanukijima.at.webry.info/ 202103/ article_11.html
*PTT制御にHamlibを使いPSKレポーターにクリックをしていると
FreeDVソフトがクラッシュ(突然終了)する事があります。
PSKレポーターの機能のついては、実験的な要素も有り
まだ不安定な部分も、有りますのでクリックをしなくても
良いと思っています。
・FreeDV 1.4 ツール-オプションについて Tools→Options
ツール-オプションダイアログ:
- クリッピング:700Cおよび700Dでは、Tx信号をクリップすることにより、
ピーク/平均電力比(PAPR)(クレストファクターとも呼ばれます)を
12dBから8dBに低減します。
また700Eリリースには、700Dのオプションの圧縮(クリッピング)と
700E送信波形も含まれ、ピーク対平均電力比を約4dBに低減します。
たとえば、100WのPEP送信機は約40W RMSに駆動することができます。
これにより、TxスペクトルとRx散布図に少しノイズが追加されますが、
パワーアンプをより強く駆動できる場合があります。
パワーアンプに過負荷がかからないように、注意して使用してください。
この設定をクリックすると受信側での明瞭度が落ちます。
受信側からレポートをもらいながら使用して下さい。
通常はクリックしません。 - Tx Band Pass Filter:700Dモードの送信帯域幅を約1000 Hzに制限します。
通常はクリックしたままにします。 - 700Dインターリーバー:インターリーバーは複数のフレームにわたって
エラーを平均化するため、変化の激しいフェージングの場合、また
バーストエラーのある場合のパフォーマンスが向上します。
16フレームのインターリーバーは、パフォーマンスを4dB改善します。
ただし、インターリーブにより遅延が追加され、同期が遅延します。
txとrxの両方に同じインターリーバー設定が必要です。
たとえば、2に設定すると、2つの160msフレームで平均エラーが改善し、
処理に要する時間に、TxとRxの両方で2×160 = 320msの遅延が発生します(合計640ms)。
この設定もクリックします。
インターリーバーは通常1に設定されます。 - 700D手動同期解除:このオプションを選択した場合、
手動で同期を解除する必要があります([再同期]ボタン)。
同期の自動フォールオフを無効にします。インターフェーバーとの
長い再同期遅延を回避するために、長いフェード中に700Dの同期を
維持するのに役立つ実験的な機能です。
通常はクリックしません。 - Txt Msg欄は自局のコールサイン情報などを入れておきます。
FreeDV 1.5から加わった機能について
FreeDV は、ツール オプションのオプションを有効にし、コールサインと
グリッドの正方形を指定することで、フリーDV 信号レポートを
PSK Reporterに送信する機能を持っています。
有効にすると、FreeDV はフリー フォームの
Txt Msgフィールドを無効にし、コールサインフィールド
のみを送信します。
FreeDV は、PSK レポーターにポジション レポートを
提出する前に、受信した情報を検証します。
これは、FreeDV が無効なコールサイン
(存在しないコールサインや実際の FreeDV 以外のユーザーに
対応するものなど) をサービスに報告しないようにするためです。
ただし、エラーが発生しても、受信したテキストは
すべてメイン ウィンドウに表示されます。
PSK Reporter に送信されたレポートは、
フィルタリングを容易にするためにモード “FREEDV” を
使用して表示されます。ユーザーの現在のモード(700D、1600など)は、
受信レポートをホバーまたはクリックすると
「Using」フィールドにも表示されます。
PSKレポーターが無線の周波数を読み取ることができるように、
Hamlib を有効にする必要があります。この場合、プッシュ開始に
メッセージが表示されます。
ToolからOptionsを選択します、Txt Msgに自局の送信する情報を入力します。
その後PSK Reporting にクリックを入れて コールサイン
グリッドロケートを入力、その状態で交信を始めるとグリッドロケーター
に情報が送信されモードにFreeDVを選択、バンドを選んでGOボタンを押すと
運用情報が表示されます。
FreeDV 700オプション
コントロール | 説明 |
---|---|
クリッピング | 送信波形をハードクリッピングして、平均電力を増加させますが、 多少の歪みが生じます |
700Cダイバーシティコンバイン | 2セットの700Cキャリアを組み合わせて、 フェージング時のパフォーマンスを向上 |
700Dインターリーバー | インターリーブする700Dフレームの数を大きくすると、 フェージング時のパフォーマンスは向上しますが、 遅延が増加します |
700D Txバンドパスフィルター | 700D TXスペクトル帯域幅を 1000 Hzに制限します |
700D手動同期解除 | 700Dの同期を強制し、同期を自動的にドロップしません |
OFDMモデム位相推定器オプション
OFDM Modem Phase Estimator Options
これらのオプションは、OFDMモデムを使用する
FreeDV 700Dおよび2020モードに適用されます。
- [高帯域幅]オプションを使用すると、位相が急速に変化するチャネル
(高速フェージングHFチャネルやEs’Hail 2衛星など)のパフォーマンスが向上します。
オフにすると、位相推定器の帯域幅が自動的に選択されます。
高速で同期を有効にするために高で開始し、低帯域幅に切り替えて
低SNR HFチャネルのパフォーマンスを最適化します。 - DPSK(差分PSK)チェックボックスには同様の効果があります-
位相が急速に変化する高SNRチャネルでのパフォーマンスが向上します。
このオプションは、OFDMモデムを変換して、コヒーレントPSKではなく
差動PSKを使用します。DPSKは、FreeDV 1600などの以前の
FreeDVモードで使用されます。これはTxおよびRx側に影響するため、
両側でDPSKを選択する必要があります。
このオプションは、必要に応じてクリックします。
・ツール-フィルター
Tools→Filter
このセクションでは、Tools-Filterの機能について説明します。
上の画像は、2023年4月現在リリースされているVer 1.8.9版のFilter設定です。
上記のフィルター設定は、声が裏返る等のレポートを、もらった際に
低域をカットして、中音域にピークを置いた設定になります。
マイクによっても、変わりますのでレポートをしてもらいながら
調整が必要です。
コントロール | 説明 |
---|---|
ノイズ抑制 | Speexプリプロセッサを使用して、マイク信号のノイズ抑制、 残響除去、AGCを有効にします |
700C / 700DオートEQ | FreeDV 700CおよびFreeDV 700Dコーデック入力オーディオの 自動イコライゼーション |
Auto EQ(自動イコライゼーション)は、入力された音声を、最適な周波数分布に調整します。
聞きづらい低音の声の裏返りを低減し、受信側の了解度を上げることができます。
Auto EQ(自動イコライゼーション)は 、通常はクリックした状態で運用します。
※相手からのリポートによって、聴きづらい場合はクリックを外します。
併せて、マイク イン イコライザ-(Mic In Equaliser)をクリックして
上の図のような設定にします、あらかじめ音声イコライザーを調整しておかないと
復調したときにケロケロと声が裏返り了解度が落ちてしまいます。
特に低音域のカットは大事です。
音声イコライザーの設定は、まだ改善の余地があります。
モードによっても違いがあると思われますので
受信側からレポートをもらいながら、調整していきます。
2020モードでは、Bass Freq 100Hzで-20dB 中域、高域をフラットに
近づける事で、受信側の復調に、良好な結果が得られるとの報告があります。